「as much as you can」

むかし、むか~し(笑) ロンドンに留学をしていた時、足首の後ろ、ちょうど外くるぶしとアキレス健の間位が猛烈に痛くなった事があります。硬いかたまりができた様になり、足首が動かなくなるのです。ポアント(つまさきを伸ばして甲を出すこと)は伸びず、デミ・ポアントに立つ事は拷問のようでした。

 

学校のフィジオでは手におえず、ハーレーストリートのシャーリー・ハンコック先生の治療院に行くことになりました。まず、疑われたのはエクストラ・ボーンの存在。日本では三角骨の名前で知られています。幸いなことにレントゲン検査ではエクストラ・ボーンは無く、使い方の問題だろう、ということで、何種類かエクササイズを教わりました。

その時、私は「どのくらいやればいいですか?」と彼女に尋ねたのです。すると、彼女はあきれたような、びっくりしたような表情の笑顔で「もちろん、あなたの出来るかぎりよ。決まっているでしょう?」と答えました。

 

私はよほど心細そうな顔をしていたのでしょう。ひとつ溜息をついた後、なぜかを説明してくれました。

曰く、あなたの足の裏の筋肉はバレエを踊っているとは思えないほど弱い、足の指の感覚もない、バレエを無理なく踊るにはO脚過ぎる、内腿も弱すぎる、等々。本来なら、小さい子供の時から時間をかけて鍛えていく事だけど、今までそれをしてきていない。これから先も踊りたいのなら、小さい時から鍛えるのと同じだけの強さを出来るだけ早く身につけなければならない。だからあなたの出来うる限りなのよ、と。

 

その後、彼女に教えてもらったエクササイズや学校で習ったエクササイズをやりまくったおかげで、痛みから解放されました。ただ、少し鍛える事をさぼると、まるで警告のように同じ場所が痛くなる事が何年も続いたのを覚えています。そして、ヤン先生のセミナーでフランシス先生の通訳を担当するうちに、どうして痛かったのか、なぜ痛くなくなったのかを明確に知ることが出来ました。

 

身体を鍛えるということは、どのくらいやったかではなくて、鍛える目的が達成されたかが問題になるんだ、ということを身を持って知った出来事でしたが、若かった自分がいかに何も知らない頭でっかちだったかも思い出され、恥ずかしいやら悔しいやら、なにやら複雑な思いもありますね(笑)

 

 

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