ゲルシー・カークランド

前回のミーシャ版に続いて、個人的バレエオタク系話です(笑)

 

ゲルシー・カークランド、彼女の名前は、一定の年齢層には衝撃的な名前として記憶されているのではないでしょうか。

ジョージ・バランシンの愛弟子で、ミーシャの恋人でもあった人ですが、何と言っても自伝「わが墓標に踊る Dancing on my grave」が衝撃過ぎました。

 

私は中学生のころ、それこそバリシニコフ版の「くるみ割り人形」を観て、すっかりゲルシーに魅せられ、彼女の本!ということで喜び勇んで「わが墓標に踊る」を読んだ訳です。中学生には、しかも40年近く前の中学生ですから、現在の中学生とはくらべものにならないくらい情報隔離されていたので、あまりに衝撃的でしばらくは放心状態でした(;^_^A 

バレエが上手な人は、きっと素晴らしい人生を送っている素晴らしい人なんだ、という子供らしい憧れが木っ端みじんに砕かれた出来事でもあります。そうよね、そうよね、あれだけ凄い表現を舞台でする人なんだから、感受性が強すぎたり、エキセントリックだったり、色々あるわよね。あれだけバレエを上手になるんだから、どこか常軌をいっしたところだってあって当然よね、と、芸術家とは破天荒である可能性が高いと一気に認識した出来事でもありました(笑)

あと、拒食症を知ったのも、この本からでした。

 

大人になってから、彼女の映像をみるにつけ、やっぱり天才だよなあ、勿体ない~!との思いを強くしました。ミーシャとの「くるみ割り人形」も凄いのですが、もっと若いときの「テーマとヴァリエーション」これ、本当に好きです。パートナーはミーシャ、バックはABT。テレビ放送用の収録をYouTubeにあげてくださった方がいます。

 

キトリ1幕のヴァリエーションも映像は悪いですが、ありましたね。彼女の場合、キャリアのどの時期かで、本当に出来が違うのでどれも良いとはいえないのが残念ですが、少しづつ残っているものを観ても、うん、凄いです。

 

でも、「くるみ」のクララと並んで、私が好きなのは、アンソニー・ダウエルと踊っている「ロミオとジュリエット」のバルコニーのシーンなんですよね~。エリザベス女王の誕生日ガラで。もう、ミーシャとの軋轢に悩むくらいなら、とっととロイヤルに移籍して、ダウと組めばよかったのにぃ!と思わず思ってしまうくらい。そうしたら、その映像のコメントに、ゲルシーとマカロワがダウエルのパートナーの座を争っていたみたいなコメントがあって(笑)

あ~、ここでも、、、、なのね。と思いました。

 

彼女は引退後、ダンサーの拒食症の問題や薬物の問題に取り組んだり、自らのアカデミーを立ち上げたりと、活動をされています。若いときは本当に色々な問題を抱え苦しんだ人ですが、今が穏やかで幸せであればいいなと心から思います。

たぐいまれな才能も、それを支える精神力が伴わないと長くは活躍できない、と言うことをものすごく極端に示した人でもあると思います。人として、彼女の半生に反感を持つ人も多いとは思いますが、それでも、やっぱり私は彼女の踊りが好きですね。何十年経っても。

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