動ける事と踊れる事

動ける事と踊れる事は同じようであって、違ってもいると思います。

 

動ける事、とは、決められたルールを守って動く事が出来る事。

バレエで言えばアンデオールで動ける、ポジションを守れる、動きをカウント、音楽に合わせられる、もう少し大きく括れば、飛べる、回れる、脚があがる、とかでしょうか。

 

踊れる、とはその人の動きに感情が見える事。観ている人の感情を揺さぶる動きが出来る事。腕の上げ下げに伝わるものがあり、振り返った姿に演じている役柄の気持ちがにじみ出てくる。

 

バレエの場合、どんなに踊れていても、一定のラインまでは動けなければ動きの自己流が気になってしまうという問題がどうしてもついてまわります。自己流、我流が認められないんですね。

 

ものすご~く、昔になりますが、ローザンヌコンクールで1位を取った子がいました。彼女は演技者としては満場一致で1位。でもバレエの訓練としては我流。審査員の中で意見が分かれたそうです。演技者、つまりものすごく「踊る」才能には溢れている事に異論はないが、バレエの基礎訓練が自己流であり、いくら踊れていても、基礎訓練の部分の修正はこれからは難しいだろう。なので、1位にするべきではない、と。

 

とても印象的な出来事だったので、良く覚えています。

バレエの先生になりたいと決めた時、踊れるのに訓練の部分で我流で動いてしまって苦労している子の手助けがしたい、と思いました。

今は本当に綺麗に動ける子たちが沢山沢山います。けれど、踊る事が出来る子たちは少なくなっているように思います。

 

踊り心を持つ子たちがテクニックの習得で躓いて、あきらめる事が少なくなりますように・・・と祈っているここのところずっとの私です(笑)

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